私立中学校にお子様が進学する場合、初めての支払いから学費まで、予想外の出費が重なることがあります。
予期せぬ費用が生じることも少なくないため、家計に影響が出ないよう事前の準備が必要です。
お子様が中学受験を経て私立校への道を選ぶと、公立中学校と比べて高額な教育費が必要になります。
受験前には何とか費用を把握しようと思うものの、具体的な学校が決まるまでは金銭的な計画を後回しにしてしまうこともあります。
しかし、入学が決定してから資金不足に慌てることがないよう、保護者は事前に費用を綿密に計画することが望ましいです。
ここでは私が多くの生徒さんのご家庭から見聞きした経験をもとに、私立中学進学時にどのような追加費用がかかるかをご説明します。
私立中学の実際の教育費用：公開されていない部分も多い
私立中学校にかかる学費やその他の費用は、募集要項や学校のウェブサイトで一部確認できます。
しかし、実際には子供に望む学校を選ばせる際には、経済的な面も考慮し、過度な負担を避けるためにもすべての費用を事前に確認することが大切です。
特に、東京都内の私立中学の教育費は、『令和5年度の都内私立中学校の学費状況』に詳しく記載されており、入学金や施設費など初年度に必要な費用から、年間の授業料までが掲載されています。
これを利用して、学費が高額または低額の学校、費用が増加している学校を把握でき、学校選びに活用することができます。
しかしながら、それだけではなく、私立中学校には公表されていない多くの隠れた費用が存在することもあります。
実際の学校選びでは、公開されている情報だけでなく、学校ごとにかかる具体的な費用を詳しく比較検討することが求められます。
ここでは、公開されている資料から具体的な費用項目を含む、いくつかの学校の情報を例示して解説します。
※記載されている金額は最低限のもので、実際には預かり金や予測される追加費用も考慮する必要があります。
中学校によっては、費用の詳細を公開している学校もありますが、各校によって項目名が異なったり、一部の費用が公開されていない場合もあります。
多くの場合、入学前の資料で具体的な費用が詳しく説明されています。
学校指定のアイテムが増えると教育費も高額に
制服、夏服、コート 一式の制服や学校バッグを揃えると、総額で10万円を超えることも少なくありません。
学校ごとに費用に大きな差が見られるのは「入学金」「授業料」「修学旅行」「デジタル端末（タブレットPCなど）」「寄付金」などです。
入学金や授業料は公開されているため、事前に知っておけば受験の選択を変えることができます。
例えば、修学旅行では、学年や目的地によって費用が変わります。
学校によっては、中学3年生の海外修学旅行で、1週間で36万円、3週間では50万円が必要です。
また、中高一貫校によっては中学時の修学旅行を設けていない場合もあります。
デジタル端末は、購入とメンテナンスに10万円以上かかることがありますが、購入が必須でない学校もあります。
私が話を聞いた保護者の方々の中には、既存のパソコンやタブレットでオンライン授業や連絡が可能だったという例もあります。
寄付金については、義務ではないため、家庭ごとの判断で対応します。
その他の必要なアイテムとして、制服や学校バッグは必須ですが、学校指定のものが多いと費用が増加します。
指定のベストが、春、夏、秋冬で計3点あった学校もあります。
通学靴や体育用シューズは市販のもので十分なことが多く、任意で購入するコートは使用しないことも考えられるため、無駄遣いを避けるためにも入学後に必要に応じて購入することが望ましいです。
また、保護者の方から聞いた話では、リサイクル品の利用で大幅にコストを削減することが可能であり、ある保護者は卒業生から提供された学生服を600円で手に入れたことがあるという話もありました。
クラブ活動や習い事の出費は公立中学でも発生する
野球、サッカー、合宿 クラブ活動にかかる費用も見逃せません
中学校によっては、多くの費用が公開されていますが、それ以外にも通学用の定期代やクラブ活動、習い事に関する費用が生じます。
これらは生徒によって大きな差があります。
例えば、通学定期代は生徒によっては月5000円未満で済むこともありますが、3万円以上かかる場合もあります。
半年ごとの定期券の購入は少し割安になるものの、新入生に高額な定期券を毎日持たせるのは懸念事項です。
クラブ活動の内容によっても費用は異なります。
運動部に所属する生徒の場合、用具や試合用のユニフォームを揃えると初期投資だけで約5万円が必要になり、年間を通じて部費も必要です。
また、部活動によっては合宿があります。
一般的に参加費は約5万円だと聞いています。
さらに、競技レベルが高い学校では遠征費用も多くなり、出費が増加する傾向にあります。
また、習い事の費用も別途必要ですが、これらの費用は公立中学校に通う生徒にも発生します。
中学三年間の総教育費は選ぶ学校によって異なる
私立中学校に子供を通わせることになると、3年間で必要となる費用は学校によって大きく異なります。
具体的な数字として、『令和5年度 東京都私立中学校の学費の状況』によると、最初の年の納付金の平均は約98万9125円で、これは前年に比べて1万円の増加を示しています。
この金額は最高で約190万6500円、最低でも54万8000円と、学校によって大きな差があります。
3年間の総費用を見積もる際は、初年度の納付金と入学金、寄付金などを含めた合計を算出し、東京都の統計に載っていないその他の費用も考慮する必要があります。
気になる学校の具体的な費用については、詳しく調べてみることや学校説明会で質問するなどして、より正確な情報を得ることが重要です。
子供の成長に伴いかかる費用は増える傾向にありますが、希望する学校への進学を可能にするためには、適切な資金計画と学校選びが不可欠です。
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