こんな悩みはありませんか?
□ お子さまが「小論文と作文は何が違うの?」と質問してくる
□ 中学受験に向けて小論文の指導を始めたい
□ 作文と小論文、それぞれの書き方のコツを知りたい
この記事では、そんな悩みを持つママに向けて
□ 小論文と作文の基本的な違い
□ それぞれの書き方のポイント
□ 実践的な練習方法と添削のコツ
をご紹介します。
小論文と作文の基本的な違い
小論文と作文は、一見似ているように見えますが、目的や書き方に大きな違いがあります。
特に中学受験を控えたお子さまは、この違いをしっかりと理解しておく必要があります。
まずは基本的な違いを見ていきましょう。
目的と特徴の違い
小論文と作文には、それぞれ異なる目的があります。
この違いを理解することで、より良い文章が書けるようになります。
主な違いのポイント
- 作文は感情や体験を自由に表現する
- 小論文は客観的な視点で論理的に説明する
- 作文は情景描写や心情表現を重視する
- 小論文は根拠に基づいた主張を重視する
- 作文は読み手の感動を、小論文は納得を目指す
これらの違いを意識することで、それぞれに適した文章が書けるようになります。
書き方の基本ルール
小論文と作文では、守るべきルールが異なります。
ここでは基本的なルールを確認していきましょう。
それぞれのルール
- 作文は個人的な体験や感想を中心に書く
- 小論文は「はじめに・本論・まとめ」の構成を守る
- 作文は情緒的な表現を活かせる
- 小論文は感情的な表現を避ける
- 作文は起承転結、小論文は問題提起と解決策が基本
これらのルールを理解することで、目的に応じた文章が書けます。
効果的な書き方のポイント
小論文と作文、それぞれの文章をより良いものにするためのポイントを見ていきましょう。
お子さまの力に合わせて、段階的に指導していくことが大切です。
作文を上手に書くコツ
作文では、自分の経験や思いを生き生きと表現することが大切です。
ここでは効果的な書き方のコツをご紹介します。
作文のポイント
- 五感を使った具体的な描写を心がける
- 時系列に沿って出来事を分かりやすく説明する
- 自分の気持ちの変化を丁寧に書く
- 読み手を意識した分かりやすい表現を選ぶ
- 結末に向けて話を上手くまとめる
これらのポイントを意識することで、より魅力的な作文が書けます。
小論文の書き方のコツ
小論文では、論理的な展開と客観的な記述が求められます。
ここでは小論文特有の書き方のポイントを解説します。
小論文のポイント
- テーマに対する自分の意見を明確にする
- 具体的な根拠や数字を示して説明する
- 反対意見にも言及して公平な視点を示す
- 段落の構成を整理して論理的に書く
- 結論に向けて筋道を立てて説明する
これらの要素を取り入れることで、説得力のある小論文になります。
実践的な練習方法
実際に文章を書く練習を通じて、小論文と作文の違いを理解していきましょう。
ここでは具体的な練習方法をご紹介します。
テーマの選び方と練習手順
効果的な練習のために、適切なテーマ選びが重要です。
お子さまの興味や理解度に合わせて選んでいきましょう。
練習のポイント
- 身近な話題から始める
- 段階的に難しいテーマに挑戦する
- 時間を決めて書く習慣をつける
- 書いた後に必ず見直しをする
- 添削を受けて改善点を把握する
継続的な練習により、文章力は確実に向上していきます。
チェックシートと練習問題
以下のチェックシートを使って、書いた文章を確認してみましょう。
作文チェックシート
□ 出来事や感想が具体的に書けているか
□ 時間の流れは分かりやすいか
□ 感情表現は豊かか
□ 誤字脱字はないか
小論文チェックシート
□ テーマに対する意見は明確か
□ 根拠は具体的に示されているか
□ 論理的な展開になっているか
□ 結論はしっかりしているか
【練習問題】
1.次のテーマについて、作文と小論文、それぞれの書き出しを考えてみましょう。
テーマ:「環境問題について」
2.以下の文章が作文と小論文のどちらに適しているか考えてみましょう。
- 「私は去年の夏、家族で海水浴に行きました。」
- 「近年、海洋プラスチックごみによる環境汚染が深刻化しています。」
- 「波の音を聞いていると、心が落ち着きます。」
- 「データによると、海洋ごみの約80%が陸域由来とされています。」
3.次の言葉を、作文と小論文それぞれで使う場合の表現の違いを考えてみましょう。
- 「とても」
- 「思います」
- 「すごい」
- 「だから」
【練習問題の解答と解説】
1.テーマ「環境問題について」の書き出し例
作文の適切な書き出し例
先日、近所の海岸清掃に参加した時のことです。砂浜に散らばるペットボトルやビニール袋を見て、私はとても悲しい気持ちになりました。
- 解説:個人の体験から始まり、感情表現を含む
- 具体的な状況描写がある
- 読み手の感情に訴えかける書き方
小論文の適切な書き出し例
近年、海洋汚染や地球温暖化など、環境問題は世界規模で深刻化している。本稿では、私たちにできる環境保護活動について考察する。
- 解説:客観的な事実から始まり、論点を明示
- 感情表現を避け、論理的な文体
- 問題提起が明確
2.文章の適性判断
「私は去年の夏、家族で海水浴に行きました。」
- ○ 作文 × 小論文
- 解説:個人の体験を語る書き出しは作文に適切
「近年、海洋プラスチックごみによる環境汚染が深刻化しています。」
- × 作文 ○ 小論文
- 解説:客観的な事実の提示は小論文に適切
「波の音を聞いていると、心が落ち着きます。」
- ○ 作文 × 小論文
- 解説:個人の感情表現は作文に適切
「データによると、海洋ごみの約80%が陸域由来とされています。」
- × 作文 ○ 小論文
- 解説:具体的なデータの引用は小論文に適切
3.表現の使い分け
「とても」の使い方
- 作文:「とても嬉しかった」「とても美しい景色」
- 感情や印象を強調する表現として使用可
- 小論文:「非常に」「極めて」と言い換える
- 客観的な表現を使用
「思います」の使い方
- 作文:「私はそう思います」「楽しいと思います」
- 素直な感想として使用可
- 小論文:「考えられる」「推測される」と言い換える
- 客観的な表現を使用
「すごい」の使い方
- 作文:「すごく感動した」「すごく頑張った」
- 率直な感情表現として使用可
- 小論文:「著しい」「顕著である」と言い換える
- 適切な語彙を選択
「だから」の使い方
- 作文:「だから、私は感動しました」
- 会話的な接続詞として使用可
- 小論文:「したがって」「そのため」と言い換える
- 論理的な接続詞を使用
チェックポイント
作文での表現
- 個人の感情を素直に表現できる
- 日常的な言葉遣いも可能
- 情景描写を豊かに行える
- 体験に基づく具体例を使える
小論文での表現
- 客観的・論理的な表現を使う
- 適切な語彙を選択する
- データや根拠を示す
- 感情的な表現を避ける
これらの違いを意識することで、目的に応じた適切な文章が書けるようになります。
練習の際は、まず使う表現を意識的に選ぶことから始めましょう。