日本語学習者の皆さんは、レポートや発表で意見を述べる際、「と思います」「と考えます」「と存じます」の使い分けに悩むことが多いのではないでしょうか。
特に、先生に提出するレポートや、クラスでの発表など、フォーマルな場面での適切な表現選びは重要です。
この記事でわかること
□ それぞれの表現の基本的な意味と丁寧さのレベル
□ 学校生活での適切な使い分け方
□ レポートや発表での効果的な使い方
□ 間違いやすい使用例と注意点
□ 実践的な例文と練習問題
適切な表現を使うことで、より洗練された日本語でコミュニケーションができるようになります。
基本的な違いから実践的な使い方まで、しっかり理解していきましょう。
「と思います」「と考えます」「と存じます」表現の基本的な違い
これらの表現は、主観的な意見を述べる際に使用しますが、それぞれ丁寧さのレベルと使用場面が異なります。
まずは基本的な違いを理解しましょう。
意味と丁寧さの違い
主観的な意見を述べる際のこれら三つの表現は、それぞれ異なる丁寧さのレベルと特徴を持っています。
日本語学習において、この違いを理解することは、適切なコミュニケーションを行う上で非常に重要です。
- 「と思います」:カジュアルな場面での標準的な表現
- 「と考えます」:論理的な議論や発表での一般的な表現
- 「と存じます」:先生など目上の方との会話での丁寧な表現
- 初級日本語では「と思います」を中心に学習
- 中級以上で「と考えます」「と存じます」の使用を習得
これらの表現の使い分けを意識することで、相手や場面に応じた適切なコミュニケーションが可能になります。
特に学校生活では、クラスメイトとの雑談から先生への質問まで、様々な場面で使い分ける機会が多くあります。
使用する場面や状況
学校生活では、話す相手や状況によって適切な表現を選ぶ必要があります。
それぞれの表現には、最も効果的に使用できる特定の場面があります。
- クラスメイトとの日常会話では「と思います」
- 授業での発表やレポートでは「と考えます」
- 先生との個別相談では「と存じます」
- グループ活動では状況に応じて使い分け
- 文章作成では目的に応じて選択
表現の選択は、コミュニケーションの成功に大きく影響します。
特に初めて使用する場面では、周りの学生の使用例も参考にしながら、適切な表現を選ぶようにしましょう。
実践的な使い分け方
学校生活での具体的な場面に即して、それぞれの表現の使い分け方を詳しく見ていきましょう。
状況に応じた適切な表現の選択が、スムーズなコミュニケーションの鍵となります。
会話での使い分け
対話の場面では、相手との関係性や会話の目的に応じて、適切な表現を選択する必要があります。
特に学校生活では、様々な立場の人とコミュニケーションを取る機会があります。
- クラスメイトとの会話:「この課題は難しいと思います」
- グループ学習での発言:「この方法が効率的だと考えます」
- 先生への質問:「この解釈が正しいのではないかと存じます」
- 授業中の発言:「次のような解決策があると考えます」
- 部活動での意見:「練習方法を変更したほうがいいと思います」
会話での表現選択は、その場の雰囲気や関係性に大きく影響されます。
状況を適切に判断し、最も自然な表現を選ぶよう心がけましょう。
文章での使い分け
文章作成においては、文書の種類や目的によって、使用する表現を慎重に選択する必要があります。
特に学校生活では、様々な種類の文章を書く機会があります。
- 授業の感想文:「多くの気づきがあったと思います」
- 研究レポート:「次のような結論が導けると考えます」
- メール文:「ご指導いただきたいと存じます」
- 発表原稿:「このデータが示唆するものと考えます」
- 提出書類:「以下の通り報告させていただきたいと存じます」
文章における表現の選択は、読み手に与える印象を大きく左右します。
特にレポートや提出物では、文書の性質に応じた適切な表現を選ぶことが重要です。
理解度チェック
これまでの学習内容の定着度を確認するため、実践的な問題に取り組んでみましょう。
場面や状況に応じた適切な表現の選択ができるようになることを目指します。
基本問題
日常的な学校生活でよく遭遇する場面での表現の選択について確認します。
それぞれの状況で最も適切な表現を選ぶ練習を通じて、基本的な使い分けを身につけましょう。
次の各場面で適切な表現を選んでください
- クラスメイトとの話し合い:「この課題は先週より簡単だと( )」
- 研究発表の結論:「以上の結果から、次のように結論づけられると( )」
- 指導教員への相談:「追加の実験が必要かと( )」
- 授業中の発言:「この問題は次のように解けると( )」
- 部活動の提案:「練習メニューを変更したほうがいいと( )」
上記の問題の正解は次の通りです。
問題1は「思います」、問題2は「考えます」、問題3は「存じます」、問題4は「考えます」、問題5は「思います」が適切な表現となります。
特に問題3のような目上の方との会話では、丁寧な表現を選ぶことが重要です。
応用問題
より実践的な場面での表現の使い分けについて、具体的な状況を想定しながら考えていきます。
以下の問題では、状況に応じた適切な表現の選択と、その表現を用いた文章の作成が求められます。
次の場面で適切な表現を用いて、文章を完成させてください
- レポートの考察部分で研究結果をまとめる
- 先生にメールで授業を欠席する連絡をする
- クラス発表で自分の意見を述べる
- 図書館でグループ学習中に提案をする
- 卒業論文の謝辞を書く
模範解答例
- 「これらのデータから、環境問題への意識向上が重要であると考えます」
- 「体調不良のため、本日の授業を欠席させていただきたく存じます」
- 「私たちのグループでは、この問題について以下のように考えます」
- 「この参考書を使って調べてみたらどうかと思います」
- 「ご指導いただいた先生方に心より感謝申し上げますと存じます」
これらの練習問題を通じて、場面や状況に応じた適切な表現の選択ができるようになります。
特に応用問題では、単に表現を選ぶだけでなく、その表現を用いて自然な文章を作る練習もできます。
実際の学校生活でもこれらの表現を意識的に使い分けてみましょう。