そろばんの学習は、速算能力が向上するだけでなく、算数に対する抵抗感が消えるなどのメリットがあり、多くの家庭で選ばれる趣味の一つです。
では、最も効果的な開始年齢は何歳でしょうか。そろばんを学び始める最適な時期とその影響について解説します。
そろばんは小学校に入る前に始めるのがおすすめ
子供の脳は12歳までに顕著に成長するため、そろばんの習得はできるだけ早期に始めた方が良いとされています。
一般的に、子供は3～4歳頃から数字に対する理解を深めるため、この時期からそろばんの学習を開始することが可能です。
特に早い子供は3歳から学び始めることもありますが、多くは5～6歳からのスタートが一般的です。
この時期は右脳の活動が盛んなため、そろばんを通じて脳の成長に良い効果をもたらすと言われています。
IEA（国際教育到達度評価学会）による国際的な教育調査プロジェクト、TIMSS（Trends in International Mathematics and Science Study）に日本も参加しています。
この調査は算数・数学と理科の学習到達度を測定するもので、我々の研究所がその実施を担当しています。
なかでも、TIMSSは4年に一度の周期で行われ、これまでに1995年から数えて2019年に至るまで、合計7回の調査を実施してきました。
国際数学・理科教育動向調査（TIMSS2019）によると、日本の小学生の中で算数が「楽しい」と答える割合は国際的に見ても低いですが、小学校入学前にそろばんで数字に触れることで、算数への苦手意識がなく学習に臨むことができます。
小学校に入学後にそろばんを始めても遅くはないと言われています。
しかし、わが家の実体験としては、足し算や引き算ができない状態でそろばんを始めた方が上達が早いということは経験済みです。
というのも、足し算や引き算ができると、そろばんで計算するというより、頭で計算してしまって、そろばんの玉を動かすお子さんが多いのです。
実際に、周りのお子さんの様子をみていても、そろばんの玉を動かして計算することに慣れるまでに、時間がかかっている印象でした。
とはいえ、そろばんを利用することで、算数の学習がスムーズに進み、計算能力の向上が見込めます。
その結果、算数が得意な子供へと成長することが期待されます。
この成功体験が、子供たちの自信に繋がる可能性もあります。
そろばん学習の利点：集中力や記憶力、創造力の向上
現代でも電卓が広く使用される中、そろばんが習い事として根強い人気を誇るのは、様々な効果があるからです。
そろばん学習による主な利点を探ります。
計算速度の向上
そろばんを習うことで得られる明白な利益の一つは、計算速度が格段に向上することです。
基本的な算数能力は学習の基盤となり、迅速かつ正確な計算は学習を進める上での強力なアドバンテージになります。
集中力の強化
そろばんを行う過程では、数値を迅速に認識し続ける必要があり、それによって集中力が鍛えられます。
問題を解いた後、すぐに次の問題へと移ることで、集中力が次第に向上します。
集中力が高まれば、算数のみならず他の科目にも好影響を及ぼし、日常生活での集中力も向上します。
記憶力の向上
そろばんは特に右脳を活性化させるとされ、右脳は言語よりもイメージを用いるため、非常に大量の情報を記憶することが可能です。
そろばんの継続は記憶力の向上に直結します。
創造力とひらめきの向上
そろばんによる右脳の活性化は、イメージを基にした思考を可能にし、創造力やひらめきが促進されます。
AIの進化とともに新たな発想が求められる未来において、これらの能力は子どもたちにとって貴重な資産となるでしょう。
判断力と情報処理能力の向上
そろばんを通じて多くの情報を迅速に処理する能力が養われ、瞬時の判断力も向上します。
この能力はコミュニケーションを含む多くの場面で役立ちます。
論理的思考の育成
数字を頭の中で操作しながら計算を行うことで、論理的思考力が培われます。
これは、将来を生き抜く上で重要な能力です。
意欲の向上
そろばんの練習では、指先を用いることが多く、これが脳の前頭葉を活性化させます。
前頭葉は意欲や取り組み姿勢に関与し、活発な前頭葉は子どもの向上心を高め、積極的な学びに繋がります。
強制は逆効果、子どもの関心がある時に始めるのが理想
そろばんには計算スキルを向上させる以外にも様々なメリットが存在します。
早期からの取り組みが推奨されることが多いですが、子どもが反発してしまう場合、無理に続けさせるのは避けた方が良いでしょう。
無理強いは子どもの算数への嫌悪感を引き起こす可能性があるためです。
さらに、子どもがそろばんに興味を示したときにスタートすることも一つの選択肢です。
年齢を重ねてから始めた方が、学校での算数の学習と結びつけやすく、そろばんの理解も深まりやすくなります。
そろばんを通じて算数に親しみを持たせるには、適切な指導ができる教室の選択も重要です。
例えば、まなぶてらすでは一人一人に合った丁寧な指導で子どもの学びをサポートしてくれますよ。
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